ネット通販の経営に役立つ情報とツールを紹介する初心者支援サイト
最初にサイトページのHTMLや画像をアップロードするサーバーが必要です。このサーバには、プロバイダーのサーバから自社サーバまで様々な形態がありますが、24時間フル稼動を前提とするサーバー運用は高度のセキュリティや保守管理を必要とするため、費用対効果の面で一般的に不向きです。
一般にプロバイダーの無料サーバを利用する場合、多くの利用者と共用するのでURLが長く、セキュリティ面から、CGIの使用禁止やディスク容量、買物かごの設置などの機能制限がありますが、無料ウェブサービスのXREA.COMはCGI、共用SSLなどを提供し、試用や準備段階での利用が可能です。
一方、自社サーバはディスク容量や機能の仕様変更が自由になる反面、サーバ購入費やメインテナンス費用などの継続的な運営コストが必要です。小規模のネット通販は運営コストが安価で管理を業者に委託するレンタルサーバの細分化されたディスク容量を共同利用する共用サーバーを選択するのが経済的です。サーバーの借りる目的を明確にする
サイトの運営に必要なサーバー機能を明確にすることが先決です。価格を優先し、サーバが頻繁にダウンすれば、お店の信頼を一挙に失いかねません。価格が安いと言うことは、安いなりの理由があり、初心者は価格だけで判断しないことが大切です。
商用サイトの場合はディスク容量やメールアカウント数の余裕が必要です。例えば電話サポートがあったり、サーバーの設置場所が地震や火災、停電に耐えられるデータセンターにあれば、それだけで相当の費用が必要とされます。レンタルサーバのチェック項目
サーバ選択時の最も重要な点は安定性と高速性の裏付けとなるバックボーンだと言われます。数多いレンタルサーバ業者を選択することは至難ですが、基本的な選び方は次のとおりです。これらは100社レンタルサーバー比較などが参考になります。
転送量及びバックボーン
アクセスが増加すれば、それに比例しトラフィックが増大します。一部業者はサーバの月額料金以外に一定量を超過すると転送量に応じて追加料金を課す場合があります。共用のレンタルサーバは一つのサーバを複数ユーザーで共有しています。その結果、自店サイトのアクセスが増えたり、チャットなどの高負荷CGIを設置したユーザーと同じサーバの場合は他のユーザーの影響を受けたり、逆に他のユーザーへ影響を及ぼす可能性があるので、注意が必要です。
一方、自店サイトが桁違いの月間転送量でなければ、転送量制限のあるサーバーの方が安全な場合があります。HTMLファイルやGIF画像ファイル、CSSファイルなどを含むページで構築されたサイトを例に基づいて計算すると次のとおりです。
- サイトの平均ページファイルサイズ30,000Byte
- 1日平均アクセス数1,000回(ページ)
- 1日転送量30,0000,000Byte(30,000B×1,000)
- 月間転送量0.838GB(30,000,000×30日÷1,024÷1,024÷1,024)
このように、転送量制限が月間10GBの場合は1日平均アクセス数が11,930回を超える計算になります。ファイル容量の大きい動画や掲示板設置、人気フリーソフト等の配布がなければ、特に問題ありません。
■1KB=210Byte(1,024B)
■1MB=220Byte(1,048,576Byte)
■1GB=230Byte(1,073,741,824Byte)
1日転送量(Byte)=ウェブサイトの閲覧ファイル容量(Byte)×1日のアクセス数 月間転送量(MB)=1日の転送量(Byte)×30日分÷1,024÷1,024 なお、転送量に関しては、アクセス解析が利用できる場合があります。
表示速度及び安定性
表示が遅く、待ちきれずに他のサイトに行ってしまった経験があると思います。このことは、お店に訪れたお客様を不愉快な思いをさせただけでなく、逃がすことにもなります。その意味でサーバの性能や回線の太さ等を確認する必要がありますが、不安定なサーバは検索エンジンに対しても悪影響を及ぼすことがあります。
ウェブページはファイルサイズと通信速度及びPCの処理性能に基づき、表示速度が決定されます。ファイル1ページは基準となるT1規格で1.0秒以内を目標にしますが、この目標値は理論値なので、実際の読込み速度は20%位遅くなるようです。
最大速度100Mbpsの光回線は平均30~40Mbps前後あり、瞬間的に60Mbpsを超えることもありますが、実際のサイト閲覧は数MbpsのADSLと体感的な差がなく、ソフトやPDFファイルなどのダウンロードやブログ更新などに威力を発揮します。ページのファイルサイズはURLを入力するだけで簡単にチェックできます。
例えば、オンライン上からURLを入力し、各種の平均値と比較できるGTmetrix、PageSpeed Insights、読み込み順序・ファイルサイズ・読み込み時間などがフィルタリングできるので改善項目が特定できるPingdomのツールも利用できます。サーバーの容量
レンタルサーバーはウェブサーバとメールサーバの容量が個別に決められている場合はウェブサイトとメールに必要な容量を事前に分割しておきます。ネットショップの場合、どうしても商品数が増えると、それらに付随して画像が増えたりするので、サーバのディスク容量は必ず余裕を持つことが必要です。
実際は商品画像の約1,000点を除く某百貨店のサイト容量が15.9MBなので、特に気にする必要はないでしょう。ただし、余裕のない場合はメール添付の大容量ファイルなどを送受信した場合にサーバがダウンし、動作が停止したり、表示不能となる可能性が高まります。サーバーの容量は全ファイル容量と使用メールアカウント数に平均10MBを乗じた合計を目安にします。
また、JPGファイルのサイズは画像により多少異なりますが、商品1点に拡大画像30KB、サムネイル画像7KBを使用した場合は1千品目を展示しても約36MBに過ぎません。小規模サイトの場合は最低限100MBもあれば不足はないと思います。
ただし、メールボックス、バックアップやデータベースの利用分は別に考慮する必要があります。メールのヘッダ部は制御情報が付加されるため、内容文の実質容量は計算上より若干減少しますが、画像ファイルの容量は大きいので、その点を考慮します。
一般的なアカウント名はinfo、order、owner、inquiry、private、claimなどが使用されますが、簡単に類推できるメルアドのため、迷惑メールを少しでも排除できるように01-info@***.co.jpのような番号や記号、担当部署名などの付加をお薦めします。動作環境の確認
CGIのメールフォームやショッピングカート、データベース、BBSなどを設置するかどうかによりますが、レンタルサーバがCGIにどの程度対応しているかで、作業の手間や利用可能な機能に違いがあります。
サーバー選択の基本的な条件は最低限LAMPに対応しているかどうかをチェックします。LAMPとは、オープンソースの中で、定番的に利用されるソフトウェアグループを指し、OSにLinux、WebサーバにApache、データベースにMySQL、簡易言語にPHPやPerl、Pythonなどが利用できるサーバを言います。
- CGIで使用されるsendmail機能、PerlやPHPの簡易言語、サーバ側で動作するSSIなどを標準装備していることが不可欠です。
一般にサーバーのOSはUNIX互換のLinuxが多く、WebサーバーはフリーウェアのApacheが主流です。フォームメール例- UNIX(Linux)系のOSで定期的にコマンドを実行するcronは時刻、日付、月、曜日などの指定で自動的に実行されるタスクを設定できます。例えば毎週月曜日の午後5時にメルマガを発信したり、特定ページを日時指定して公開、削除すると言ったことが可能です。
- 提供される機能やサービスをコントロールパネルから操作できると簡単です。
- サーバ業者の提供するアクセス解析機能が満足できる水準にある。
- 個人情報の送信はセキュリティ対策が不可欠なので、SSL機能が利用できます。
- 会員ページ作成にIDとパスワードの必要なアクセス制限ができる。
これにはPHPスクリプトや.htaccess Editorを利用すると簡単に設置できます。
1.ユーザー名とパスワードを管理者が設定解除する場合の例:会員専用ページ
ユーザー名に2tails、パスワードにabc999を入力するとリンクできます。
2.ユーザー名とパスワードを会員が設定解除する場合の例:会員登録
設定ページで会員がユーザー名やパスワード、その他の情報を登録します。
メルマガ購読会員の募集登録にも利用できます。- 外出中のメール確認と自動返信ができる転送メールやウェブメールを利用できる
- サーバ業者側でのウィルスチェックやスパムメール対策が利用できる
- メールアカウントの追加や削除が簡単にできる
- 在庫情報を即時検索できるPostgreSQLやMySQL等のデータ管理ソフトが利用できる
サポート体制
メールサーバに障害などが生じた場合、設定メールが利用できなくなりますので、メールサポートだけでなく、費用を要するユーザーに配慮した電話サポートの有無が判断材料の一つになります。
格安サーバ業者の多くはメールサポートのみで、24時間以内に返信がないような場合も注意が必要です。