ネット通販の経営に役立つ情報とツールを紹介する初心者支援サイト
一般にウェブサイトの電子文書は一瞥性があって断片的な情報の収集に優れる反面、読むことに大変疲れやすく、頭に入りにくい欠点がありますので、紙媒体のような一覧性や体系的な情報収集に適していません。
発光しない書籍の文字色や形が見えるのは光がその色の波長だけを反射するからです。画面上の文字情報は直接的な発光点で形成しており、視神経の過労が重なって、生理的な拒否反応を無意識に示すことがあります。
発光点を直視するテレビは音声と動画による娯楽が主であるのに対し、至近距離からのパソコン画面への注視度合いはテレビの比ではないことから、インターネットの文字閲覧や文章作成などが主目的である業務用のパソコンは作業の負担軽減のため非光沢モニターを選択します。
この点は後述の通販サイトの構築にも重要な意味を持ちますが、当初はできる限り、読解に集中できる入門書籍の購入や講習会への参加などをお奨めします。
光点を集中的に長時間見つめることはLEDモニターのブルーライト問題もあり苦痛となりますので、特に記憶に留めにくい大量の文字情報は読まれるのではなく、単に見られ眺められるページとお考えください。
また、必要なモノを必要な時に必要な量だけ届けるマーチャンダイジングの概念が情報社会でも見られます。
ネット界に蓄積された虚々実々の混沌とした膨大な情報から「必要な情報を必要な時に必要な部分だけ収集する」ことで、余分な知識や手間、時間を省く検索エンジンの効率化が知識の断片化と記憶意欲を衰退させています。商品画像と文字情報の多いサイトは情報価値があっても、ECサイトとしては失格です。
商品点数とページ数の多いことが評価された時代から、コンパクトにまとめた特色のある商品グループに絞り、スマホと高齢化に対応し、操作性に優れたサイトが評価されるようになりました。
その結果、商品グループ毎に複数のサイトを立ち上げ、相互リンクを張って誘導する方法が効果的です。
経産省の実証実験の成果を引き継いで設立されたECネットワークは「トラブルなく安心して参加できるEコマース市場」の実現を目指す非営利の会費制民間団体です。
ECガイドの通販セラーズガイドは電子商取引に関するネットショップの望ましい行動指針を示し、EC関連法律のQ&AやモデルページはECに係わるガイドラインの必要項目を掲載しています。ネットショップ構築のポイント
ネットショップのサイト構築には、法律の遵守以外にも利用者の利便に供する機能や運営が不可欠です。特に利用者の心理や感情が掴み難いため、利用者目線で常にチェックする努力の継続が必要です。
特定商取引法に基づく表記内容を表示する
サイトに表記事項の記載がない場合、検索エンジンや雑誌、ショッピングモールなどに登録がされません。個人情報の取扱に関する方針を示すプライバシーポリシーの記載も規模を問わず必須です。
契約成立及び支払条件を明示する
現物商品の確認できない先払方式の場合はハンディがありますので、代金引換の決済は最低でも用意すべきです。加盟審査のある電子決済やカード決済などを扱うことで、信用あるお店と判断されます。
ご参考までに契約成立及び支払条件の表示例は次のとおりです。
入力フォームはネットショップでの注文や会員登録、ウェブアンケート調査などで一般的に利用されますが、入力方法が分かりづらい、入力項目が多過ぎるなどの理由でストレスを感じ、途中離脱するユーザが一定割合で発生します。
これらの改善手法にフォーム項目の入力率やエラー率、遷移率などを分析し、フォームのどの部分にどのような問題があるかを調査するEFOがあります。
EFOの解析ツールであるFormAnalyticsなどを利用し、入力項目の配置や注意書きなどを改善できれば、発注や登録の意思があるユーザが離脱するなどの機会損失を大幅に減らすことができます。
- フォームを1ページにまとめるか、分割する
- 複数ページの場合は現在ページとの位置関係を明示する
- メール認証の有無
- フォーム入力部品の選択(ラジオボタン、チェックボックス、リストボックスなど)
- フォームの入力項目数
- フォームのレイアウトと配置
- 文字数と文字サイズ
- 住所自動入力ツールの有無(郵便番号で住所入力の省力化と入力ミスを防止する)
- 入力モードの規制(住所氏名は全角、数字は全角英数、電話番号のハイフン要否など)
- 入力項目の必要性と必須項目数
- エラー画面や文言のわかりやすさ
- 画像認証ツールの有無(人が直接入力操作していることを確認する)
- フォーム入力画面にある無関係のページリンクの有無
- 入力フォームの文字サイズ
- 入力例示の有無
- フォーム入力の事前説明の文章
メールでの注文や質問に迅速的確な返答ができるようメルアドを複数用意する
例えば宛先のメルアドにowner・master・order・inquiry・claimなどを用意し、担当者を定めます。営業時間内の返答や即答ができない場合は少なくともその旨を1時間以内に返信することが大切です。
ただし、これらのメルアドは分かりやすい反面、ネット上から容易に収集されやすく、スパムメールが増大しますので、事前の対策が必要です。独自ドメインを取得する
覚えやすいドメイン名の取得で知名度と信用度のアップが期待できます。ただし、いくら短く、覚えやすくてもアドレスバーに直接URLを打ち込むお客様はいないのです。
検索エンジンで探すのが一般的であるため、実店舗同様にお店の名前覚えてもらうことも重要です。とにかく、お気に入りに登録して頂くことがポイントです。ページ内容を定期的に更新する
サイト内容が更新されないと商品が売れていないのか、実際に営業しているのだろうかと不安になるものです。活気あるお店で、売れている商品を安心して購入したいと思う気持ちは実店舗の場合と全く同様です。
そのため、商品紹介の他に季節やイベントの飾りなどに相当するデザイン更新で常に賑わいを演出します。この結果、更に検索エンジンロボットの巡回頻度が高まる副次作用が期待できます。なお、大幅な文章変更を頻繁にすることは逆効果になります。
ネット通販は独自性や個性などの訴求力を高めることが重視されます。特に知名度のないお店は商品名の検索から選抜されることが重要で、お客様のご都合や売上に囚われ、ルールを定めない取扱い商品の拡大はお店の個性を薄めることになります。
一定のルールに基づく、取扱い商品の取捨選択は結果的に商品選択の利便性や購買率のアップに寄与しますので、事前のデータ分析や業界ニュースの収集を行い、売れ筋商品の吟味や観察が不可欠です。ネットショップの繁盛店は得意な商品の分野と特異なお店の個性を両輪にしています。
- 実店舗ではなかなか手に入りにくい良質な商品を扱う
- 鮮明な画像をイメージの分かりやすい角度や使用状況など数枚以上掲載する
- 女性客を対象とする商品は視覚に訴求する画像やキャチコピーを少し多めに掲載する
- 商品や自店のこだわりや特徴を説明し、他店と違いがわかる(職人醤油.com)
- 商品説明の文章が読みやすく、且つ、お客様目線で知りたいことを記載する
- ネガティブ情報を開示する(欠品や値上げ、品質低下の理由や苦情対応の経緯)
- メールマガジンを発行し、発行時には必ず反響がある
- 売れ筋商品のランキングを掲載する
- 顧客の購買情報を分析し、興味を引く情報を提供できる(リコメンデーション)
- 送料が無料又は少額である(一定額以上合は送料無料、全国均一送料など)
- 翌日配達が可能なサービスを提供する
- 独自のポイント制度などを採用する(リピート購入にお買い得感がある)
- お店に存在感がある(催事やサイト更新、電話やFAXの番号、店舗地図の表示)
- お店に親近感がある(自己紹介や顔出し、好奇心の湧く情報で店長自身をブランド化)
- 顧客情報の取扱い方(ウェブと切断した別PCやメモリーで保存、情報削除など)
- 掲示板の書き込みに対し、素早く的確に対応する文章を書き込む
- 質問やクレームメールに対し、迅速に応対する
- 定期的なSEO対策を実施する
- アクセス解析で来訪者の少ないページは入れ替え、ページ数をむやみに増やさない
- 1サイト1品目とし、品目を増やす場合は別サイトを立ち上げ、経営資源を集中する
これらの全てを満たしているお店があるわけではありませんが、少なくともいくつかを徹底的に実践するところが繁盛店になります。楽天市場やYahoo!ショッピングはどんな商品をどんな人が買って、どんな感想を抱いているかを分野別にランキングしています。