ネット通販の経営に役立つ情報とツールを紹介する初心者支援サイト
アクセス解析はデータマーケティングの一手法であり、単なるデータ解析ではなく、実店舗同様にお客様の動きを把握し、PDCAサイクルに基づく素早い対応が大切です。
Plan(計画)
集客するためのサイト構成や商品画像、説明文などのコンテンツづくりを計画する。
Do(実行)
計画に基づき、ネットショップを開業し、必要なSEO対策や宣伝を実施する。
Check(検証)
計画に対する達成度を個別検証します。この達成度と目標値の差異が大きければ、計画自体に問題があり、若干の差異であれば、改善の余地があることになります。
Action(対策行動)
検証の結果、原因が明らかで、対応できるものは、すぐに対応します。それ以外の課題は原因調査と対応策を考え、計画を適宜変更します。
解析のポイントは過去データから未来傾向を予測するだけではなく、個別データ相互の関連性を発見することにあります。原理原則に基づく基本計画をまず策定し、永続的な修正を加えながら計画変更することがノウハウ取得の近道です。
アクセスのログ解析で得られる情報は利用するソフトによって様々な機能サービスがあります。解析ツールを設置する場合はお客様が過敏にならないよう、ページに広告バナーなどが表示されない有料版の解析サービスやフリーソフトをお奨めします。
また、アクセス解析は生ログを取得している旨を表示することで、誹謗や不正の予防効果が期待できますが、過度な不安を与えることも事実です。
アクセス数のカウント
最も利用されるページアクセスの解析数値は次のような指標があります。それぞれ、意味合いが異なっていますので、理解した上での利用が望まれます。カウントはヒット数>ページビュー>ビジット>ユニークユーザーの順に少なくなります。
- ヒット数
ヒット数とは、サイトページの表示に必要なファイルが何回要求されたかを表す延べファイル数を言います。サイトページは内容を記したHTMLやgif、jpegなど拡張子のある画像とその他ファイルで構成されます。例えば1ページに1つのHTMLとgif画像の2ファイルを使用すれば、ヒット数は3とカウントされ、アクセス人数を表示するものではありません。
- ページビュー
一般にアクセス数とされるページビューは指定するHTMLファイルが何回要求されたかを表します。画像ファイルなどはカウントされず、アクセス人数に近いカウントを延べ人数で示すことができます。
- ビジット
セッションとも呼ばれ、一定時間内にページを訪問した人の延べ人数を表します。同一人でもアクセス間隔が一定時間以上経過した場合や一度ブラウザを閉じ、再起動後にアクセスした場合も新規ビジットとしてカウントされます。Google Analyticsの初期設定は30分間サイト内での操作がないとセッションを終了しますが、トラッキングコードの追記で設定変更が可能です。
【1時間に変更する例】pageTracker._setSessionTimeout(“3600“);- ユニークユーザー
一定期間内にページを閲覧した人のIPアドレスやクッキーを集計処理したユニークな実数を表しますので、同一人がサイトの各ページを閲覧したり、何回アクセスしてもカウントは1とされますが、次ページとの閲覧間隔が30分以上空いた場合は別の利用行動と見なされ、カウント数は2となります。
サイトアクセスの参照元
アクセス解析を始めた頃はアクセス数が特に気になるものですが、Google Analyticsにログインし、[集客]、[サマリー]の順でクリックするとOrganic Search、Referral、Direct、Socialなどが表示されます。
- organic
キーワード検索でアクセスする検索エンジン経由のユーザーを指し、有料広告などを含まない自然な検索結果を言います。実店舗をタウンページや地図で探して来店した場合に相当します。
- referral
あるウェブサイトからバナー広告やSNS、ブログ、アフィリエイトなどのリンクを経由して来たユーザーを指し、実店舗の場所や電話番号を口コミやチラシ、マスコミなどの紹介で来店した場合に相当します。
- Social
Facebook、Twitter、mixiやAmeba、FC2などのSNSからのアクセスユーザーを示しています。
- Direct
URLを直接アドレバーに入力したり、お気に入りからアクセスして来たユーザーを言い、メルマガなどに記載されたURLをクリックして来たユーザーも含まれます。実店舗を知っているファンの方が来店した場合に相当します。
アクセス解析の基本属性
- ページ別アクセス数指定した期間内の、各ページごとのアクセス数を表示します。トップページとそれ以外のページのアクセス件数の差が重要です。この差が大きければ、トップページのデザインを含めた再検討が必要になります。
- 日別アクセス数指定した期間内の日別アクセス数を表示します。1ヶ月単位だと傾向が把握できる場合があるので、時々はチェックする。また、ある日突然アクセスが急増することがあります。このような場合は他サイトやブログ、メールマガジンなどのネット媒体で紹介された可能性があります。
- 曜日別アクセス数指定した期間内の曜日別アクセス数を表示し、アクセス推移の傾向がわかります。サイトの性格によって、アクセスパターンが固定するのが一般的です。そのため、更新の効果的な時期を把握することができます。また、個別のページを特定した分析もできます。
- 時間帯別アクセス数1日の時間帯別アクセス数を指定した期間内で合計数を表示します。指定を1週間にすると、その週間の時間帯別アクセス数を表示し、どの時間帯が多いのかがわかります。平日は午後9時~11時頃がピークになりますが、平日の昼食時もアクセスが多いようです。個別のページや日を特定した分析もできます。
- 国別ドメイン(ccTLD)からのアクセス数トップレベルドメインがjpの日本以外のドメイン別アクセス数を表示します。ただし、これにはcom、net等のグローバルトップレベルドメイン(gTLD)が含まれます。jp以外からのアクセスでもプロバイダー又は取得ドメインが国外発行のものという意味なのです。そのため、単純に外国からのアクセスだとは限りません。
- 属性別ドメイン別アクセス数例えばco.jpやne.jpのセカンドレベルドメインであるco、neの属性組織のアクセスを表します。jpドメインの場合であっても、どの組織のアクセスが多いかが判別できます。少なくとも会社、政府組織などの団体なのか、個人なのか位は識別できます。
- ホスト名別アクセス数ocn.ne.jpやdion.ne.jpのocn、dionなどサードレベルドメイン別のアクセスを表示します。どのプロバイダ所属のユーザーからアクセスが多いかがわかります。
- ブラウザの種類別アクセス数InternetExplorer、Netscape、Firefoxなどのブラウザとバージョン別アクセス数を表示します。JavaScriptやCSSはブラウザーのバージョンによって動作や表示が異なる場合があります。そのため、訪問者が最も多いバージョンに合わせた制作が必要です。
- ブラウザの使用言語別アクセス数ブラウザで使用している言語の種類別にアクセス数を表示します。
- OSの種類別アクセス数Windows7やXP、MacなどのOS種類別にアクセス数を表示します。
- 画面解像度別アクセス数画面の解像度別アクセス数を表示します。標準モデルのデスクトップ型は1,920×1,080dpiの16:9が最も多く、1,280×1,024の5:4、1,024×768の4:3の順で普及しています。
- 表示発色数別アクセス数パソコンの同時発色数別のアクセス数を表示しますが、429,000万色の32ビットカラーが大多数を占めます。
- リンク元のURL別アクセス数どこのウェブサイトのリンクを経由し、何人が訪問したかが表示されます。リンク元のURLを知ることで、自分のウェブサイトに対する評価や重要度を知ることができます。自サイト内リンクや主要サーチエンジンからのリンクを対象外にすることもできます。
- 検索サイト別アクセス数Yahoo、Google、Bingなどの有力検索サイト別のアクセス数を表示します。検索サイトの訪問者割合が少ない場合はSEO対策を行い、上位表示を目指すことが必要です。
- キーワード別アクセス数訪問者が検索サイトで入力した検索語別のアクセス数が表示されます。内容に一致する語句で検索されたアクセスは訪問者のページ巡回や滞留時間が多くなります。
- 訪問回数別アクセス数過去の訪問回数別にアクセス数を表示します。このアクセス数が多ければ、リピータが多いということですが、クッキーの受け入れを拒否している場合はカウントできません。
- 前回訪問時からのアクセス間隔前回訪問からのアクセス間隔時間別にアクセス数を表示します。このアクセス数が多ければ、頻繁に訪問するリピータが多いことになります。
一般的にサイトページの更新頻度が少ないと訪問間隔が長くなります。これもクッキーの受け入れを拒否している場合はカウントできません。- ページ閲覧履歴訪問者がどのページからアクセスし、どのページへ移動したのかを追跡表示します。実店舗の客動線に相当し、アクセスの少ないページの問題点を検討することができます。
ページの閲覧時間で、訪問者の関心度を推し量ることもできます。- 都道府県別アクセス数来訪者がどこの地域からアクセスしたのかを都道府県別に集計表示します。一般的なISPのネットワーク構成とユーザーに付与するIPアドレスの設定は地域別にネットワーク経路やIPアドレスの範囲がほぼ決まっており、IPアドレスやドメイン名の検索で分類できます。
また、各NICやレジストラのWhoisを参照したドメインの所有者情報も取得できますが、都道府県や通信回線などの認識は国内ISPを経由するアクセスの約70~90%の範囲内です。IPアドレスやドメイン名の検索で取得できるサイトにIPひろばがありますが、これらの全てを取得できるわけでなく、取得できる場合があると言う程度です。
- IPアドレス割当(国名)
- 都道府県(都道府県都市名)
- 市外局番(電話回線の場合)
- 接続回線(ADSL、CATV、光などの回線種類)
来訪者の個別未処理アクセス情報を収集し、別ファイルでこれらの生ログ情報が保存されます。記録できる情報はパソコンを特定するIPアドレスが含まれます。ログの取得は一般的に<JavaScript>+<img src=””>を各ページに記述しますが、解析ソフトによりログの取得形式は異なります。
- 訪問者IDアクセス解析ソフトによって訪問者に割り振られた個人別識別情報です。生ログやサイト内移動履歴で訪問者IDを指定し、検索すると個人動向を追跡できます。
アクセス解析ツールの形式
- サーバーログ方式
ウェブサーバはどのIPアドレスからどのファイルにアクセスがあったのかを常時記録していますが、このアクセスログを基に専用ツールで解析し、表示する方法を言います。過去の蓄積ログファイルを解析対象としているので、リアルタイムの分析は難しい面があります。
- パケットキャプチャリング方式
ネットワークの監視システムを設置し、ウェブサーバーに流れる直前にパケットデータを取得し、必要な情報を選別した後に解析サーバーへ送る方法を言います。
- Webビーコン方式(ASP方式)
必要なデータが取得するため、各HTMLファイルにJavaScriptや極小の透明画像を埋め込みます。ユーザーがこのファイルにアクセスし、読み込み時にデータが送信される方法を言い、必要とする情報をHTMLのタグに埋め込むことで、収集データの項目を増やせる利点があります。
代表的な解析ツールのGoogle Analyticsはサイトの構造解析に必要なレポート情報が80種以上に及ぶASP方式の多機能解析ツールです。利用者やデータ量が多く、解析表示は1日遅れる欠点がありますが、アクセス状況の一部はリアルタイムで表示できます。
主要企業の多くもアクセス解析ツールはGoogle Analyticsを利用しています。Google Analyticsのデータ解析を強化する無料ツール
- Google Analytics Spreadsheet Add-on
Google Analyticsのデータを直接ExcelシートにエキスポートできるアドインソフトでExcel2007以降が必要です。Google Analyticsの取得項目と指標を抽出し、高度な抽出を可能にするフィルタ機能や抽出条件をシート上に保存することができます。セットアップ方法はGoogleスプレッドシートのアドオンメニューから、Googleアナリティクスを選択します。アドオンの取得時に「アクセスの許可」を求められるので、「許可」を押すとインストール完了です。
アドオンタブから「Google Analytics」、「Create new report」の順にボタンを押し、指標やディメンションなど、必要項目を選択すると、データを取得できます。Google Analyticsの活用
Google Analyticsのサービスオプションの1つである「コンテンツ」の中の「ページ解析」はページ内の各リンク別にクリック回数の割合を視覚的に確認できるサービスで、次のような利用目的があります。
- ページレイアウトはユーザーに期待する行動を促せるのか
- ユーザーに見せたいコンテンツは実際に見てもらってるか
- ユーザーの探している情報はページ内で見つけ出せるか
- 行動を促すメッセージはユーザーに伝わってるか
- ユーザーがクリックするリンクはどのリンクなのか
このサービスは自店サイトの状況を認識することで、サイト評価の定量的な数値最適化に役立ちます。
Google Analyticsの設置
GoogleAnalyticsのアカウントを作成して、管理画面からトラッキングコード(スクリプト言語)をコピーし、すべてのウェブページに貼り付ける作業が必要です。このコードの貼り付け場所はbody終了タグの直前が推奨されていましたが、現在ではhead終了タグの直前が推奨されています。
また、カスタマイズする場合に修正を簡単にするため、コードをjisファイル化して読み込んだり、同様にphpファイル化し、ページソースにincludeするなどでファイルのみの修正で完結することができます。
アクセス数を知りたいだけであれば、数行の指定HTMLタグをコピーし、HTMLファイルに貼付するウェブパーツやブログパーツと呼ばれるASP業者の解析ツールを利用するのが簡単ですが、公開表示や登録と指定バナーの広告表示義務があります。
無料の携帯向けアクセス解析ツールのうごくひと2は通常の解析に加え、年齢・性別・携帯ネット利用度の傾向などのユーザー属性分析、アクセスしてきた携帯端末の機能や画面サイズの分布などの端末分析、どんな携帯機種がいつアクセスしてきたかが時系列で分かる足あと機能などがあります。
このツールはアクセスの日時や回数の表示以外、学校や企業が公表する既知のデータを活用し、ユーザーの男女比や年代層、地域別を統計的に算出した結果表示も可能です。User Heatはマウスの軌跡を可視化することで、訪問者がページのどこの段落に注目し、どの場所がクリックされているかを調査できるツールです。ページ内に固有のjavascriptを貼り付けることで、よく読まれた場所を調べることができます。
また、statcounterはブラウザ、画面解像度、検索エンジンなどの最新占有率を国別、期間別にjpg形式の画像イメージやcsvのファイル形式で保存もできますが、会員登録するとリアルタイムで自店のウェブ解析情報を見ることができます。
これらのツールを利用し、資料請求には未だ至らないが、会社の製品やサービスに関心のある企業リストを作成できます。この企業リストとウェブ解析を元に営業活動をすれば、効率的に見込客を把握できるので、新商品や企業PRを主眼とした事業者向けサイトでの利用が考えられます。
ASP業者の無料版サービス FC2 120ぺージ、120日間のアクセス解析や携帯電話も解析が可能 ITGearアクセス解析 最大100ページ、生ログ保存3日、レポート数50種、携帯にも対応 AccessAnalyzer.com 複数サイトの一括管理が可能な高性能のアクセス解析 ACR WEB 最大100ページ、120日間の解析が可能 忍者アクセス解析 10万アクセス/日、最大100ページ、120日間の解析が可能 Hit! Graph 50ページ解析+50リンク解析で訪問者の移動経路分析が可能 ASPアクセス解析 解析項目27項目、生ログ最大4ヶ月保存、携帯サイトの解析が可能 ■有料版はバナー表示がなく、一般的にアクセス情報解析の機能拡張があります。
アクセス解析のソフトウェア
CGIを利用した解析ソフトをインストールする方法で設置に知識が必要です。
ASP業者の有料版専用サービス いちにのアクセス 訪問経路追跡によりキーワード広告の効果や成約率の測定が可能 UNFINISHED 標準で月間5万PV、50ページ解析やコンバージョン率の測定が可能 らくらくログ解析 各種データ集計や経路分析、CSVファイルでのダウンロードが可能 PIERROT 解析機能は標準以上、初期設定1,000円の1年契約で9,000円は格安
無料ソフト 高機能アクセス解析 携帯サイトにも対応し、月指定や日付指定での解析が可能 An-Analyzer ページ毎の検索語やサーチエンジンなどの解析が可能 AshiatoLog 訪問者のIPアドレスを利用し、複数ページの総合的な記録分析が可能 dopvSTAR* ログ取得項目は最大15以上、基本集計のクロス分析が可能