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減価償却資産

建物、機械装置、器具備品、車両運搬具などの固定資産は経年劣化によって価値が減少します。これを減価償却資産と言い、経年劣化しない土地や骨董美術品などは減価償却資産に該当しません。

減価償却資産は取得価格の備忘価格を残し、資産の使用可能期間で分割して経費処理します。使用可能期間が1年未満又は取得金額が10万円未満の場合は全額が業務に使用した年の経費になります。

10万円以上20万円未満の減価償却資産はその資産の全部又は特定の一部を一括した減価償却資産の取得合計価額の3分の1相当金額を業務に使用した年以後の3年間で必要経費にすることができます。

中小企業者の青色申告者が平成15年4月1日〜同22年3月31日までに30万円未満の減価償却資産を取得した場合、その取得価額の全額をその業務に使用した年分の必要経費に算入できる特例があります。

平成18年4月1日以降の開始事業年度から取得価額の累計合計額が300万円までに限定されてますが、消費税を取得価格に含めるかどうかは、課税事業者の税込又は税抜の経理方式によります。課税事業者が税込経理方式や免税事業者の場合は税込価格で判定します。

減価償却費の計算法

平成19年4月1日以後取得の減価償却資産は次の方法で減価償却費を算出します。実際の計算基礎となる減価償却率や改定償却率及び保証率は耐用年数省令別表十を使用します。

定額法

定額法の償却率を乗じた均等価額を毎年の償却費にします。
■減価償却費=取得価額×定額法の償却率×(使用月数÷12月)

定率法

定額法の償却率を2.5倍した率を償却率とする250%定率法で償却費を計算します。ただし、耐用年数2年の償却率は1.25になりますが、最大償却率は1.00とします。

■減価償却費=期首未償却残高×250%定率法の償却率×(使用月数÷12月)
この方法で算出した額が一定の金額を下回る年から改定償却率に切替えます。この一定の金額が最低保証の償却費になるわけです。

つまり、法定耐用年数から経過年数を控除した期間内で、期首の帳簿価額を均等償却すると仮定した場合の償却額を意味します。

        期首帳簿価額
一定の金額=─────────────
      (法定耐用年数−経過年数) 

面倒なこれらの計算はKeisanのツールを利用すると簡単に算出することができます。
■新定率法による減価償却費の計算式
・償却保証額=取得価額×保証率
・償却額=期首帳簿価額×償却率
・償却額≧償却保証額であれば償却限度額=期首帳簿価額×償却率
・償却額≦償却保証額であれば償却限度額=改定取得価額×改定償却率
なお、初年度の使用月数が1ヵ月に満たない場合は1ヵ月に切り上げます。

改定償却率の適用年度

償却資産の取得月が期首の場合、改定償却率に切替わる年度の目安は次のとおりです。
■0.6×法定耐用年数+2(小数点以下を切捨て)
例えば、耐用年数9年の場合は0.6×9+2=7.4の7年目から改定償却率に切替わります。

【事例】取得価額525,000円 法定耐用年数6年
定額法償却率0.167 250%定率法償却率0.417 保証率0.05776 改定償却率0.500
償却 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 償却費計 未償却残
旧定率法 167,475 114,050 77,668 52,892 36,020 24,529 472,635 52,365
新定率法 218,925 127,633 74,410 43,381 25,291 14,745 504,385 20,615
期首簿価 525,000 306,075 178,442 104,032 60,651 35,360 20,615 -
一定金額 87,500 61,215 44,610 34,677 30,325 35,360 - -
償却限度 218,925 127,633 74,410 43,381 30,325 30,325 524,999 1
新旧定率法の償却費

事例の場合、5年目の償却費25,291円が最低保証償却費の30,324円を下回るため、5年目以降の償却費は定額の30,325円になります。

新定率法は耐用年数経過後に備忘価額の1円を残す仕組みで、旧定率法に比べ、初期の償却費が大幅に増加するため、資金回収が早まり、その結果、キャッシュフローが増加する利点があります。

償却可能限度額

耐用年数経過時に1円の備忘価額が残るまで償却することができます。この備忘価額は事業目的で使用する限り、固定資産台帳に必ず記載し、勝手に省略することはできません。

なお、平成19年3月31日以前取得の減価償却資産で、既に償却可能限度額まで償却した資産は翌事業年度以降5年間で備忘価額の1円を残し、均等償却します。

中古資産の減価償却

中古資産の耐用年数は法定耐用年数をそのまま適用するわけではありません。この場合、取得後の使用可能年数を見積もって耐用年数とします。取得後の使用可能年数の見積りが困難な場合、大幅な改良がなければ次の算式で年数を計算します。

2年未満の場合は2年とし、1年未満の端数は切り捨てます。大幅な改良とは、中古資産の再取得価額の100分の50に相当する金額を超える改良を指しますが、この場合は耐用年数の見積りができないので、法定耐用年数を適用します。

  • 法定耐用年数の全部を経過した資産…法定耐用年数×20%=耐用年数
  • 法定耐用年数の一部を経過した資産…法定耐用年数−(経過年数×80%)=耐用年数

なお、償却率の端数処理は規則性がないので、「減価償却資産の償却率表」の償却率を使用する必要があります。

非事業用資産を業務の用に供した場合

自家用車を事業用に転用した場合は償却の基礎となる未償却残高を次の式で計算します。■当初の取得価額−法定耐用年数×1.5倍に相当する年数で計算した償却累計額

【事例】
05年3月30日に税込35万円で購入したパソコンを07年5月16日から事業用に転用(27ヶ月)

事業用に転用した場合の仕訳事例 350,000×0.9×0.166×27/12月=117,652円
350,000−117,652=232,348円
4年−(2.25年×80%)=2.2年
232,348×0.9×0.5×8/12月=69,704円
07/05/16 器具備品 232,348 事業主借 232,348
07/12/31 減価償却費 69,704 器具備品 69,704
事業主借は返済不要な店主の立替金や事業用預金利息などを指します。

資産を譲渡した場合

年の中途で譲渡した資産はその年の譲渡月までの減価償却費の計算を省略でき、その年の減価償却費を差し引かない金額は譲渡所得の収入金額から差し引くことができます。

事業用の器具備品、車輌などを売却した場合の譲渡所得は事業所得と合わせ総合課税の対象になります。この譲渡所得は所有期間が5年を超える長期と所有期間が5年以内の短期に区分されます。

まず、資産売却した金額から取得費と譲渡費用を差引いて譲渡益(譲渡損)を算出し、この譲渡益から更に譲渡所得の特別控除を差し引きます。譲渡所得の特別控除額はその年の長期譲渡益と短期譲渡益の合計額に対して50万円です。

その年に短期と長期の譲渡益がある場合、最初に短期の譲渡益から特別控除の50万円を差し引きます。これらの譲渡益が50万円以下の場合には、その金額までしか控除できません。この特別控除額の差し引き後の金額が譲渡所得の金額になります。

短期譲渡所得は全額総合課税であり、長期譲渡所得の金額はその2分の1が課税対象です。なお、譲渡損の場合は確定申告書に記載することで事業所得から控除できます。

資産を処分した場合

年中途で除却、滅失した資産はその年の処分月までの償却費計算が省略でき、その年の減価償却費を差し引かない額を決算書に記載する場合は除却損として必要経費になります。

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