ネットショップの出店が急速に増大したのは、都市部を中心にADSLやCATVなどが普及し始めた1998年頃からと言われてます。この傾向はダイレクトマーケティングの必要性を高めたデフレ環境や政策も追い風になりましたが、当初は理解や信用度が乏しく、過剰なITブームの出店に起因する廃業撤退が多かったようです。最近はネットショップ開業初年の廃業率は約30%程度だと言われます。これは単純に開業の成功者が多くなった訳でなく、閉鎖するサイトが減少していると思われます。この背景はインターネット接続業者の競争激化、アフィリエイトなどの普及で運営コストが劇的に低下した結果、売れなくても赤字にならない体質に変化し、閉鎖の必要もないと考える人が多くなったからです。
通信販売が立地産業と呼ばれるほど立地条件に左右される小売業態の内でも、評価が一段と高まる背景には、出店コストの低さや宅配の発展に伴うドア・ツー・ドアの実現が高齢化社会に対応できる利点があるからです。このようなネット通販を取り巻く関連法律の整備がほぼ一段落したことから、今後は業界全体の信頼感醸成が課題となります。
インターネット技術の向上
HTMLの標準化及びネット関連ソフトツールや高機能パソコンや周辺機器のハード面が向上しています。
ネット通信の高速化と接続料の低料金化
ブロードバンド料金の低廉化に伴い、ダイヤルアップ回線のナローバンドが減少の一途を辿っています。常時接続定額制の
DSLや
CATV、
FTTHなどへの普及が拡大し、ブロードバンド化率が68%を占める状況です。
配送システムの合理化とサービスの向上
定時定路線の巡回配送システムによって時間的、物理的懸架のあった消費者との距離が縮まっています。バーコードで管理される位置情報をリアルタイムで把握できるなど、合理化と情報化が進展しています。また、冷蔵車や冷凍車の使い分けによる食品の保存配送技術の向上も要因の一つとして挙げられます。インターネットを利用した新規のネット通販店はこれら要因の
シナジー効果によるものとされます。
世帯・世帯構成員、事業所及び企業の電気通信・放送サービスの利用実態は
総務省統計局が実施しています。最新の通信利用動向調査の結果概要は
総務省情報通信統計データベースで公開されています。また、Yahoo!JAPANは半年毎に実施するインターネット利用者の
アンケート集計結果を公開しています。
なお、2006年3月末現在でFTTH約546万件、DSL約1,452万件、CAV約331万件の加入件数がありましたが、光回線の契約は前年度比88.4%増に対し、DSL回線は6.2%増の頭打ち傾向が顕著になっています。
小規模事業者がインターネットを利用した通信販売やこれらの支援サービス提供は比較的低額の初期投資で短期間に大手企業と比肩できる売上と信用を得ることができる唯一の手段や機会として重要性が高まっています。
ネット通販の利点
ネットショップでモノやサービスが売れるのは、ネット通販特有の利点を最大限利用しているからです。これらの利点を応用し、来店者に
認知、理解、共感、応援して頂けるかどうかが成功のポイントです。ネット通販の宿命として、実店舗に比べ一度の売買にかかる手間が非常にかかるもので、梱包も実店舗と比較するとより丁寧に行う必要があります。
お客様は「ネットだから安いだろう」と思い込んでいるので、価格競争が全国レベルになります。つまり、本格的なネット通販には、従業員が必要であり、これが利益を圧迫する最大の経費になります。
■消費者の利点
- 24時間対応のため時間的制約がなく、何時でも注文できる
- 実店舗を見て回る時間と費用が節約できる
- 常に最新の商品情報や価格に関するサイトがあるので他店と簡単に比較検討できる
- 少額の商品であっても代金後払いの場合、手許にお金がなくても購入できる
- キーワードで素早く商品が検索できるので、店名や電話番号等を覚える必要がない
- 入手困難な限定的な商品も会員登録や予約メールなどで情報が提供される
- 店員との会話や質問が苦手だと感じる人も気軽に利用できる
- 周知の商品で配達が必要なものは最初からネット通販を利用するのが楽である
- ネットの方が情報量が多い場合がある
■通販店の利点
- 通常は折り込むチラシが不要でコストと手間を削減した広告宣伝が可能である
- 小売業の成功を左右する立地場所にこだわる必要がない
- 売上は実店舗ほど天候や曜日に左右されず、比較的売出し日の制約はない(但し、開始時間が重要)
- 実店舗で相当数必要な目玉商品は1品でも、工夫次第でアクセス増が期待できる
- 資金不足でもアフィリエイトやドロップシッピングで豊富な品揃えが可能である
- 実物商品の陳列は不要なため、万引きや劣化を防止することができる
- 販売経路の多角化により、新規顧客の開拓が期待できる
- 在庫管理機能で品切れを自動的に把握し、販売機会の喪失を最小限に止められる
- 保管場所やコスト増加を心配することなく、取扱商品を増やすことができる
- 顧客満足度が高い場合はブックマークされやすく、リピーターになる確率が高まる
- 自動収集した住所、氏名、性別、メルアド、注文日、品目、金額等のデータを活用
- 訪問者のアクセス情報が記録されるので、これらを利用した販促活動ができる
ネット通販の顧客心理
消費者がネットショップの買物かごを選択する際に重視するポイントは次の3点です。
- 安全かつ信頼できる代金支払方法が提供されていること
- セキュリティ対策が行われていること
- 操作手順がわかりやすいこと
このように操作が難しいと感じると途中で断念するのは当然のことなのです。これは未知の出来事に畏怖を抱いたり、不安を感じたりすることが人間の本能であると言えるからです。買物かごの操作中断は一般的に30%前後と言われています。実店舗の場合は買物途中で買物かごの中身を全部返品するお客様が30%に及ぶことはあり得ません。
では、何故ネットショップではそうなるのでしょうか。セキュリティ、店舗や商品の信頼性、送料など多くの問題点が考えられます。大きな要因に、その実存が確信できない
バーチャルショップであるという本質的な問題があります。
インターネットは革新的な通信技術でありながら、顔と顔や声と声との同時進行が省略される結果、ブラックボックス化したシステムとして無意識に畏怖と不安を抱えた心理状態になります。つまり、ネットショップ自体に信用がなく、最初から深層心理的に不安定な状態で買い物するわけですから、ちょっとしたことで大きな不安を感じ、途中で断念してしまうケースが多いのです。
このようなケースは次のような例を挙げることができます。これらは、全て購買断念の動機となる可能性が高いと言えるのです。
- 注文画面の最初からクレジットカードの入力を促している
- カートに入るなり会員登録を必要としている
- 操作手順がわかりにくい構造になっている
- 必須又は任意を問わず、購入と無関係の項目が多い
ネット通販の購買行動
- AIDMA(アイドマ)理論の本質は、人は買いたいと思うから広告を見るわけではなく、広告を見たから買いたいと思う人を対象にします。無意識に入った情報で思考や欲望が刺激され、感情を突き動かされて行動する誘導的な消費者購買行動です。
・Attention(注意)
・Interest(関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)という過程の頭文字で示している。
Attentionが認知段階とされるので、この段階でお客様の注意を引くことができれば、その商品などに関心を寄せてもらうことができます。行動(購買)までの段階に結び付けるには、最初のインパクトが大きく左右します。短時間で完了することを衝動買いと言います。
- AISAS(アイサス)理論の本質は、人はサイトページを見たから買いたいと思うわけではなく、買いたいと思うからサイトページを見る人を対象にします。AIDMA理論から進化したネット通販に適合する消費者購買行動です。
・Attention(注意)
・Interest(関心)
・Search(検索)
・Action(行動)
・Share(共有)という過程の頭文字で示している。
AISAS理論は購買に際して吟味したり考慮する「記憶」がない反面、「検索」と「情報共有」とが購入の決定要因として重視される特徴的な過程が反映されます。
インターネットを利用した消費者向けの電子商取引において、適切な取引を行う事業者を認定した上で、オンラインマークを付与し、電子商取引に関する事業活動に関して使用を認める制度があります。このマークの付与対象者は事業拠点が日本国内にあり 原則として起業1年以上の販売業者になります。日本通信販売協会や日本商工会議所は所定の審査で、適正と認めた場合にOSTマークを付与します。事業者はこのマークを申請したサイトの通信販売に関するページ上に表示することができます。
オンラインマークは事業者を推奨し、事業者の提供する商品やサービスの内容、又は品質の保証や事業者の経営内容を保証するものではありません。
ページ上のOSTマークをクリックすると事業者やオンラインマーク制度の概要、日本通信販売協会、消費者相談窓口などが表示される認定画面が表示されます。
その画面中にOSTマークが付与されたドメイン名が記載されていますので、実際にアクセスしたURLと同じかを確認します。付与事業者はマーク付与事業者一覧リストやマーク使用許可事業者リストで確認できます。この他にもネットショップについて、事業者の実在性、ショップサイト表記の適正性などを独自の基準に基づいて厳正に審査し、合格したことをTradeSafeトラストマークで表象し、通販サイトの信頼性を認証する民間サービスがあります。解決せず、商品が来ない、返金されないなどの場合、トラブル解決のサポートや最高10万円の見舞金が支給されます。(月額利用料7,350円)
認証番号の意味
認証番号例:A12345-1-01
- 「J」は日本通信販売協会発行を意味し、「A」は商工会議所の発行を意味します。
- 「12345」は00001から発行順に連番で付けられる事業者番号です。
- 「1」は事業者のホームページが1つであることを意味します。
- 最後の「01」は更新の回数、つまり認証を受けている年数を意味します。
オンラインマークの認証内容
- 通信販売事業者の実在(商業登記簿謄本又は抄本、住民票等による確認)
- 申請サイト上での特定商取引法による通信販売広告の表示義務事項の表示
- 広告表現の特定商取引法その他関連法令の遵守
オンラインマークの料金表
| 区分 |
小規模事業者 |
中小企業者 |
大企業者 |
| 申請手数料 |
10,000円 |
10,000円 |
10,000円 |
| 実態調査費 |
2,000〜3,000円程度 |
| マーク使用料 |
15,000円 |
30,000円 |
60,000円 |
| 更新手数料 |
10,000円 |
10,000円 |
10,000円 |
■小規模事業者は常時使用する従業員の数が
20人以下のものを言います。
■中小企業の製造業は資本金3億円以下又は従業員数300人以下、卸売業は1億円以下又は100人以下、小売業は5,000万円以下又は50人以下、サービス業は5,000万円以下又は100人以下の事業者を言います。