賃金は最低賃金法に基づき国が最低限度の金額を定めています。しかし、事業所の規模や形態、業種と無関係に最低賃金以下の額を労使合意で定めることがあります。
この場合、法律によって無効とされ、最低賃金額と同額を約定したものと見なされ、最低賃金未満の賃金を支払った場合は最低賃金額との差額を支払う法的な債務が生じます。
- 最低賃金以上の賃金支払い義務(第5条1項)
厚生労働省所管の地方最低賃金審議会が審議し、都道府県労働局長に答申します。
- 周知義務(第19条)
最低賃金の概要を常時作業場の見易い場所に掲示し、又は他の方法で労働者に周知させる義務
- 賃金に関する事項の報告義務(第35条)
厚生大臣及び労働局長は使用者や労働者に対し、賃金に関する事項を報告させることができる。
- 労働基準監督官の立ち入り、検査、又は関係者の質問に応じる義務(第38条)
労働基準監督官は必要な限度において、使用者の事業場に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査し、又は関係者に質問をすることができる。
一般労働者と労働能力などが異なる次の労働者には、最低賃金の適用除外が認められる場合があります。これには、使用者が所轄労働基準監督署に最低賃金適用除外許可申請書を提出し、許可を要します。
- 精神または身体の障害により著しく労働能力の低い方
- 試用期間中の方(許可困難)
- 認定職業訓練(事業主などの行う職業訓練の申請を受け、都道府県知事の認定訓練)を受けてる方
- 所定労働時間が特に短い、軽易業務に従事、断続的労働に従事する方(許可困難)
地域別最低賃金
全国47の各都道府県毎に定められている地域別最低賃金は産業や職種の区別なく、全ての使用者及び労働者に適用され、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態は問われません。なお、産業別最低賃金が決定されていない職種は地域別最低賃金の対象になります。
産業別最低賃金
産業別最低賃金は特定産業の関係労使が基幹的労働者を対象に、地域別最低賃金より高い水準の最低賃金を定めることが必要と認められるものに設定し、各都道府県毎に249の最低賃金が定められてます。一定地域の同種の労働者及び使用者の大部分に賃金の最低額を定めた労働協約が適用される場合、地域的最低賃金があります。
これは労使のいずれか一方の申請に基づき、その賃金の最低額がその地域の全ての労働者に適用される労働協約の拡張適用によるものです。
広島県の地域別及び産業別最低賃金抜粋
| 広島県適用 |
職種・業種 |
時間額 |
発効日 |
| 地域別最低賃金 |
年齢・性別・雇用形態を問わず、全労働者に適用 |
669円 |
19.10.28 |
| 産業別最低賃金 |
電気機械器具、情報通信機械器具、電子部品・デバイス製造業 |
721円 |
18.12.31 |
| 各種商品小売業 |
739円 |
18.12.31 |
| 自動車小売業(バイク含む) |
745円 |
18.12.31 |
| 地域的最低賃金 |
広島市及び東広島市の区域にある塗料業 |
960円 |
10.11.5 |
なお、各種商品小売業は衣食住商品を全般的に小売するデパートやスーパーを指します。最低賃金一覧表を必要な場合は広島労働局のPDFファイルをご利用ください。
最低賃金の対象とされる賃金は毎月支払われる基本給と諸手当の賃金に限られます。この賃金には、営業手当などが含まれ、以下の賃金は最低賃金の対象から除外されます。
- 精皆勤手当、通勤手当、家族手当などの一般的な諸手当
- 臨時に支払われる賃金(繁忙手当、誕生日手当など)
- 賞与などの1ヶ月を超える期間毎に支払われる賃金
- 時間外割増賃金などの所定労働時間を超える期間の労働に対して支払われる賃金
- 休日割増賃金などの所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金
- 深夜割増賃金などの午後10時から午前5時迄の通常労働時間を超える間の労働に支払われる賃金
支払賃金が最低賃金以上であるかどうかは、支払賃金額と適用最低賃金額を次の方法で比較しますので、時々ご検証ください。
- 時間給の場合は支払時間給≧最低賃金額であればOKです。
- 日給の場合は日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金であればOKです。
- 週給や月給などは賃金額を時間当たりの金額に換算し、最低賃金と比較します。
月給額×12ヶ月
───────────≧最低賃金額
年間総所定労働時間 |