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創業時の融資は金融機関にとってリスクが大きく、金額の割りに非効率なので積極的ではありません。確定の決算書ではなく、事業計画の適否審査なので、実技なしのペーパー試験と同じようなものです。関連する情報資料を基に作成された事業計画書は論理的な矛盾のないことが当然の前提条件です。創業資金の貸付は面談を中心とした人物評価と経歴が重視されます。事業計画書は創業者との面談の中で人柄や熱意、実現性を伝えるツールに過ぎませんが、説明や説得のできない人は商売ができるはずもないと思われ、信用が得られないことが多いのです。資金の調達手段が限られる中小企業は擬似資本と呼ばれる借り替えを前提とした実質的な長期運転資金など、資本金的な性格の資金が債務の形で調達されている実態があります。従業員規模の小さい企業の場合、特にこの擬似資本の割合が高くなる傾向にあります。このことは、借換が資金調達先の金融機関の事情によって左右され、事業継続の不安定要素になります。そのため、信用格付に必要な自己資本の充実や正確な財務諸表の作成と資金調達の多様化が必要です。
定量情報決算書などの財務諸表から算出される指標比率を定量情報と言います。金融機関は客観的な比較審査ができるよう、これらの評価方法を統一しています。【一般例】
多くの金融機関や信用保証協会はこの診断システムの中小企業信用リスク情報データベースを利用したシステムを構築し、融資の審査に利用しますが、特徴は次のとおりです。
定性情報財務諸表のように数値化することのできない情報を指します。【一般例】
企業が有する目に見えない技術、ノウハウ、知恵などの重要な知的資産の認識、評価を行うことで、企業価値を明確にする報告書を知的資産経営報告書と言います。企業の存続と発展にとってステークホルダーに企業の優れた部分を知っていただくことは重要ですが、これらを作成し、極力公開することで企業の正確な価値を周知できます。
一般的に金融機関は信用格付の内容を企業側に開示することはありません。希望すれば格付ランクを教示される場合もありますが、あなたの予想以上に低い評価になります。貸し出しを断る場合でも理由は明確に言わないことが慣例化しています。断る理由の説明不足から誤解された場合、トラブルの発生や貸出しを強要される心配があるからです。 意思の疎通円滑な融資は金融機関が安心して融資できる信頼関係を日頃から形成する努力が必要です。融資の最終決定には、ケースバイケースで判断せざるを得ない面があります。そのため、情報の非対称性を解消する金融機関との意思疎通は信頼感の醸成に不可欠です。特に、小規模事業者は銀行対企業の信頼関係から銀行対代表者個人に対する信頼関係が重視されます。それは企業の融資返済は実質的に企業ではなく、代表者個人の強い意思によるものだからです。 資料通常は税務署受理印のある確定申告書の控や財務諸表、直近の資金繰表、試算表などが求められます。中には故意に水増し所得を期限内申告し、融資決定後に更正の請求をする詐欺紛いの行為をする人もいるようです。多くの小規模企業は日々の記帳に問題があるので、これらの提出物が全て信用される訳でありません。逆に、記帳の不備で所得漏れがあり、実態は数値以上に余裕があるものと見られることさえあります。特に飲食業やサービス業などの現金商売の場合、その傾向が強いようです。例えば、所得から通常の生活費と返済額を差し引くと少し赤字になる場合が考えられますが、この場合は同居家族に安定的な別収入があれば融資可能になることがあります。 税理士事務所に委託した場合は全面的に信用されるわけではありませんが、多少の効果は期待できます。それは金融機関の内部審査で、税理士が作成した書類であるという客観的事実が評価されるからです。このように外部の第三者に権威付けられることも重要な要素のひとつになります。自分で作成した事業計画書も根拠に基づく説明があれば、十分評価の対象になります。これらの資料は貸付担当者の業務軽減に利用できる稟議資料としても活用できるからです。なお、有力者の紹介や名前を出す行為は圧力と受け取られ、逆に信用不安があると思われ不利になります。公的金融機関では、特に嫌われる行為なので慎むべきです。無論、面談時に萎縮効果を狙って聞かれもしないことを話すことも厳禁です。 説明いくら融資を受けられるかが、関心の的となる場合が多いようです。毎月いくらなら返済可能か、返済原資と融資効果とを説得できるよう事前に考えるべきです。設備資金の場合は投資計画と経費や売上への波及効果を予測計画書に添付することをお薦めします。そうすることで、貸付担当者に好印象を持ってもらうことが可能です。このように信用度は数値的に計測できるものとできないものとがあります。そのため、これらを総合して融資の判断をする金融機関の立場になって考えてみることが大切です。 事業の永続性毎月の返済を確実に実行するには、事業から生み出される継続的な収益が必要です。本業たる事業が投機性を帯びたり、一過性のブームに乗った思惑的なものがあります。このような永続性に疑念が生じる場合は金融機関の不安感を増大させることになります。そのため、新事業の立ち上げ資金の借入れには、綿密な計画書の提出と十分な説明が必要です。事業の収益性返済原資の収益が低い場合、融資による確実な業績向上が見込まれない限り、通常は不可とされます。事業収益は損益計算書で分析され、実質収益は減価償却費に専従者給与を含めたもので評価されます。個人事業はローンや仕送金を含め生活費優先で流出するため、それらの控除後が返済余力になります。つまり、同じ収益でも家庭事情により返済余力が異なるので、返済能力にも格差が生じることがあります。金融機関はこれらの諸事情をプライバシーの問題もあり、詳しく聞くことはありません。確定申告書の各種控除欄の記載内容と金額である程度の把握が可能だからですが、大学などの学生がいれば、学費や生活費をどう工面したのかを積極的に話すべきでしょう。 事業の安定性安定性には、貸借対照表から分析される経営内容と営業形態とがあります。経営内容は資産と負債の均衡や借入金の内訳が重視されます。営業形態は商品や取引先、店舗状況、従業員の就業態度、代表者の健康と家庭環境などが観察されます。また、小規模事業者は特に人的信用評価が重要視されます。これらは、プライバシーに属する面もありますが、積極的な開示で好印象を持たれることが必要です。
資金使途資金の使途には、大別して運転資金と設備資金とがあります。前者は必要な理由や金額の根拠に乏しいため、申込額の減額を見越し、水増しする実態があります。程度を超えるようなことは決して好ましいことではなく不信の基となります。審査で大幅減額されるのは、それなりの理由があるからです。このような必要額の確保ができない場合は潔く辞退することも必要です。この場合、一連の経緯が担当者によって記録されています。もし、不足の追加融資で返済が2口になり、月々の返済が高額化するとリスクも増大します。そのため、計画性がないとの理由で不可となる可能性が高くなるからです。設備資金は必要とする設備の効果を説明することや見積書によって金額の根拠を示すことができますが、購入後に領収書の提示やコピーを求めたり、現物確認の訪問調査があることがあります。この場合、数社から取り寄せた見積書は恣意的な相見積りがあることは認識していますので、融資不可の口実となる極端な水増し行為などは絶対するべきではありません。 融資制度公的融資制度には、それぞれ融資の対象者、限度額、期間、金利、保証などの諸条件があります。手続きの手間や実行日までの日数を併せて考慮した場合、一長一短があります。そのため、利用可能な融資制度と条件のどこにポイント置くかを日頃よりチェックしておきます。参考となる情報源には、公的機関サイトに掲載されてるWEB情報を収集した資金調達ナビがあります。金融機関系のクイックローンは信販系と比べ、低利で書類提出後2〜3日内に融資の可否がわかります。国民生活金融公庫でも継続的な取引実績のある方を対象に小口資金を申込みする場合、5営業日以内に融資を実行する「こくきんスピーディーローン」があります。ただし、最低2期分の決算書や延滞無事故などが必要で、取引実績があっても利用できないことがあります。融資申込書家族の方が代書することは、本人の了解を得た上とは言え好ましくはありません。金銭消費貸借契約書の法的効果のある書類でなくても自筆記入で責任を自覚するべきです。住所、氏名、生年月日、借入希望額程度は最低限でも自書することが必要です。融資後のトラブル防止のため、申込書と契約書の署名をチェックされることもあります。 保証人保証人は連帯保証人を意味し、本人に代わって即刻、全額、無条件で弁済する義務を負います。万一の場合には、このような義務に耐え得る要件を備えた方が必要です。
逆に、連帯保証人にならざるを得ない場合は保証人になった日から財産隠しに走り、例えば不動産は家族に名義変更し、定期性預金は全額引き出し、金銭的な価値あるものは隠匿したりするなど、考えつくありとあらゆる方法で財産を隠し通す人もいます。差押えられるものがなければ怖いものなしですから、あとは自己破産して終わりというわけです。 代位弁済時に隠匿財産があれば、不法行為になります。一方、当初から贈与税の非課税枠を利用するなどはモラル的にはどうかと思いますが、合法です。なお、第三者保証人の確保が困難な方には、家族や社内の方などが保証人となれる第三者保証人などが不要な国民生活金融公庫の融資制度が利用できます。金融機関は経営者の信用を客観的に判断するため、個人信用情報機関を利用することもありますが、業界団体などが設置する会員制の個人信用情報の取扱機関は次のとおりです。
金融庁では、債務者の経営実態把握のため金融検査マニュアルの中小・零細企業などの債務者区分の判断に係る検証ポイント及び検証ポイントに係る運用例からなる金融審査マニュアル別冊を公表してます。このマニュアルは中小零細企業の債務者区分の判断は金融機関自らが日頃の債務者との緊密なコミュニケーションを通じ、情報の非対称性の解消に努めることを重視しています。 金融機関の配慮すべき事項
貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付金融庁は中小企業などの借り手側の声を幅広く聞くため貸し渋り・貸し剥がしに関する情報の受付制度として貸し渋り・貸し剥がしホットラインを開設しています。受付けた情報に関する照会や相談には応じていませんが、これらの相談は各金融関係団体に相談窓口が設置されていますので、そちらにお問い合わせください。 返済方式別の計算例■1ヶ月を365日÷12月の平均日数で計算し、休日も考慮していないため差があります。関数電卓や表計算ソフトのエクセルなどを利用すると公式から容易に算出できますが、通常の返済方式である元金均等返済の場合は覚えやすいので役立つこともあります。 A (n+1)×n r A×r/100 n=返済回数 R=年利率 r=月利率(R/12) |
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