経理講座.初心者のためのネットショップ開業総合支援講座

会計システム 記帳方法 必要経費 減価償却資産 専従者給与
キャッシュフロー
中小企業の会計と会計ツール

中小企業庁は中小企業に相応しく、過重な負担とならない中小企業会計を平成17年8月に改訂しています。これは中小企業の会計を問答集に決算書の作成や経営への活用方法を平易に解説したものですが、今回の「中小企業の会計30問30答(改訂版)」は財務分析に関する部分が大幅に拡充されています。この冊子は経済産業局中小企業課、商工会議所などで無料配布しています。冊子で紹介する貸借対照表や損益計算書の様式例、キャッシュフロー計算書の様式例、キャッシュフロー計算書の簡易作成ツール、資金繰表の様式、主要経営指標の自動算出、事業計画書の様式、会計チェックリスト、決算の宣言書様式などは中小企業庁の中小企業の会計ツール集からダウンロードできます。

青色申告制度

個人が事業開始する場合、所得税や源泉所得税、消費税などに関する各種届出書の提出が必要です。青色申告を希望する場合はその年の3月15日までに青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出します。この場合、その年1月16日以後の新規開業者は開業日から2ヶ月以内に申請すればよいのですが、特に承認の通知があるわけではありません。なお、これらの各種届出申請書については、国税庁の税務手続の案内にあるPDF版を利用できます。青色申告は税金面だけでなく、帳簿調査に基づかない推計課税での更正を受けないなどの特典があるため、正直にすべてを申告するのであれば、青色申告が有利であることに間違いありません。営業所得者の普及率は55%程度の横ばい傾向で推移し、申告所得額や業種、地域でもバラツキがあります。専門家であるはずの税理士や弁護士の方でも白色申告者が以外と多いのが実情です。これは所得額が少ないことや専従者がいないなどの理由で記帳意欲が低く、手間と節税額を考えた結果と言われますが、申告形態の選択は権利であって義務ではないため、依然として次の点を不利と考える納税者が多いことや納税意識の低下などが背景にあります。

  • 記帳や証票類の保存が面倒で手間や人件費が必要である
  • 記帳すると故意でなくとも申告漏れが露見されやすくなる
    更に仮装、隠蔽と認定されると重加算税の対象とされる可能性が高くなるが、白色申告は記帳水準が低いとされているので、重加算税の対象となることは少ない。
  • 税務署の推計所得より実際の所得額の方が多ければ得をする
    逆の場合は整理した帳簿を提出し、実際の所得額で指導される前に修正申告する。

青色申告特別控除

正規の簿記の原則で記帳し、期限内に貸借対照表を添付した場合の特別控除額は最高65万円です。控除額を差し引くと赤字になる場合は0円となる範囲内の控除額が限度です。つまり、控除額が65万円であっても控除前所得が50万円であれば、控除後の所得は△15万円ではなく0円です。この控除適用を受けるには、次の要件が必要です。
  • 事業所得又は不動産所得に係る取引を正規の簿記の原則により記帳する
  • 記帳した帳簿に基づいて作成した貸借対照表と損益計算書を申告書に添付する
  • その適用を受ける金額を記載して確定申告の期限内に提出する

青色事業専従者給与

事業主である青色申告者と生計を一にする配偶者や親族などがその事業に専ら従事する場合は届出書の記載金額の範囲内で、且つ労務の対価として適正な給与額を支給するのであれば、全額を必要経費に算入できます。ただし、これらの給与を支給されると控除対象配偶者や扶養親族には該当しません。

貸倒引当金の繰入れ

青申者の事業遂行に生じた売掛金、貸付金などで貸金の貸倒れによる損失見込額として12月31日時点の貸金帳簿残高合計の5.5%以下を貸倒引当金繰入勘定へ算入した場合はその金額が必要経費になります。翌年にその金額を貸倒引当金戻入勘定に収入として算入するので最初の1回だけに効果があります。

純損失の繰越と繰戻し控除

繰越は事業所得などが赤字となって純損失が生じた場合、その損失額を翌年以後3年間、各年分の所得から控除することができるというものです。繰戻しは前年に青色申告をしている場合、純損失の繰越に代えて損失額を前年の所得から控除し、前年納付の所得税を還付してもらうことですが、還付に対する調査が厳しいことから利用し難い面があります。

現金主義の適用

青色申告者で一定条件に該当する場合は収入や費用の計上時期を現金出納時での記帳が認められます。この適用を受けると、手間を要する棚卸が不要になる利点があります。

少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例

中小企業者である青色申告者が平成20年4月1日から平成22年3月31日までに取得した10万円以上30万円未満の減価償却資産は、その業務の用に供した年分の必要経費に全額算入することができます。取得価格を判定する場合、消費税を含めるかどうかは納税者の税込又は税抜の経理方式によります。なお、免税事業者は税込経理方式で処理します。

中小企業投資促進税制の適用

平成20年度の税制改正により適用期間が2年間延長され、平成22年3月31日まで適用されます。青色申告書を提出する個人事業者又は資本金1億円以下の中小法人が新品の対象設備を取得又はリースする機械及び装置であれば、種類を問わず幅広く利用できます。
  • 対象設備
    1. 全ての機械・装置
    2. 器具・備品(電子計算機、デジタル複合機)
    3. 一定のソフトウェア
  • 減税の内容
    7%の税額控除又は30%の特別償却が受けられます。ただし、資本金が3千万円を超える法人は特別償却のみになります。リースの場合はリース費用総額の60%について7%の税額控除が受けられます。

情報基盤強化税制の適用

この税制は個人事業者を含め中小企業から大企業までのすべての青色申告事業者を対象にしています。情報セキュリティと国際競争力の強化の観点から、高度な情報セキュリティが確保された情報システムへの投資を促進し、情報基盤を強化するための税制措置です。
20年4月1日から22年3月31日の間に一定の情報システムに投資し、これを国内の事業に利用した場合は基準取得価格の10%相当額の税額控除、又は基準取得価格の50%相当額の特別償却が選択できます。通常、黒字会社は税額控除を選択し、赤字会社は特別償却を選択しますが、対象となる投資の内容は次のとおりです。
  1. サーバー用のOS及びこれと同時に設置されるサーバー用の電子計算機
  2. データベース管理ソフトウェア及びこれと同時に設置されるアブリケーション
  3. ファイヤーウォール(ただし、上記の1又は2と同時に取得するものに限られます)
  4. SaaSAPSなどインターネット経由で情報処理サービスを行う事業者も対象です

投資額とリース費用総額の要件

資本金の規模 投資額 リース費用総額
資本金10億円超 1億円以上 -
資本金1億円超10億円以下 3千万円以上 -
資本金1億円以下 70万円以上 420万円以上

個人事業者又は資本金1億円以下の法人の場合はリース契約期間が4年以上であり、且つリース資産の耐用年数を超えないことが条件です。
この場合、リース費用総額の42%相当額に対する10%の税額控除が適用されます。控除額は法人所得税の20%が限度ですが、これらの超過額は1年間の繰り越しが認められます。

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